研究科長メッセージ

経済学研究科長 西川 芳昭

経済学を核とした高度な社会科学リテラシーを踏まえた実践的研究能力の構築を目指して

世の中には、立ち止まってじっくり考えてみないと見過ごしてしまうような言説が蔓延しています。情報化時代の現代はその傾向がますます強くなっているといえましょう。いつの時代でも私たちの置かれている世界は混迷と矛盾に満ちており、それぞれの時代において、人々は世界の仕組みを理解し改善しようと努力を続けてきました。現在、大学(学部)教育のユニヴァーサル化が進展し、かつ社会での即戦力を要請するようにとの圧力が高まる中で、複雑な社会を冷静な視点と手法で分析し、熱い思いを持って社会の一員としての役割を果たせる人間を養成する高度な専門教育が望まれています。私たちの研究科も、経済学を核とした社会科学の運用能力を高めることを通じて、そのような人類の営みの次の一歩に貢献できる研究と教育を展開したいと考えています。
経済学を主軸とする学問体系に依拠し、経済史・経済学史等社会や学問の歴史的発展を踏まえることは当然ですが、さらに一歩進んで、現代世界のさまざまな課題に取り組むために必要な多様な視点と方法論を取り込んだ学問・研究の可能性に貢献することを自らの任務として認識しています。

本研究科の学生には、研究科での教員や仲間の大学院生、さらには、京都という大学の集積する場を活用した他大学研究者・大学院生や市内外の各組織・団体で活動する方たちとの知的格闘を経験し、研究科での学びを終えた後は、大学などの研究機関だけでなく、官公庁・民間企業・NPO等で、経済学プロパーの研究者として、あるいは広く社会科学の学識を備えた専門職業人として活躍する「社会人」「市民」として活躍することを期待しています。

修士課程では、主として以下の3つのプログラムを設置し、それぞれの専門分野に応じてカリキュラムを整備して大学院生の研究能力の開発と向上に努めています。

1 ) 経済学総合研究プログラム
経済学の基本コア科目(マクロ・ミクロ・計量経済学等)のエッセンスを総合的に履修することで、経済分析能力と政策立案能力を兼ね備えたエコノミストとして、研究機関や官公庁、産業界で活躍できる人材を養成します。

2 ) 民際学研究プログラム
「民際学」とは、国民国家の枠を越えて、当事者としての民衆の視点から新たに構築された学問領域です。具体的には、フィールドワークを通じて民族対立・地域経済・開発と自然破壊・ジェンダー等の問題に携わることにより、国境を越える民衆の直接的な交流を通じた社会変革を研究対象とします。

3 ) アジア・アフリカ総合研究プログラム
日本の私立大学においてアジア・アフリカ研究に特化した唯一の修士課程プログラムです。すべての科目を英語で受講し、英語で論文を作成することもできるので、留学生を交えた国際色豊かな環境で学ぶことができます。

なお、本研究科には、日本政府がJICAを通じて実施する「アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ(African Business Education Initiative for Youth、通称ABEイニシアティブ)」の学生も多く在籍しています。多国籍の環境で学べる環境も引き続き大切にしていきます。

博士後期課程では、国際的水準の研究をおこなえる研究者の育成をめざし、研究者に求められる世界への深い理解と創造的な理論構築、あるいは高度な応用分析の能力を養うための体系的な指導をおこないます。

経済学研究科のミッションとお誘い

私は、研究者は研究者である前にまず一人の市民であることを自覚したいと考えています。複雑な現在社会は、従来からの政府・企業・市民の三セクターの分担と協働では解けない課題が山積しています。このチャレンジに、市民として、そして研究者として応えていくことが私たちの使命であり、また夢です。経済学研究科では、各専門分野の研究と実践経験豊かな教員スタッフが大学院生と共にさまざまな問題に取り組み、先進的かつ創造的な研究の達成に向けて最善を尽くします。ともに、このプロセスに参画しようとする学生を心から歓迎します。

経済学研究科長
西川 芳昭


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