京都ブランドプロジェクト紹介

伝統産業におけるブランド~経験価値の側面に沿って~

 近年、伝統産業の売上げは低迷している。だがその一方で、伝統産業の持つ日本の洗練された文化や技術などが、日本固有の長所として海外から注目されている。伝統産業はまた、その地域ならではの「強み」を有する地域資源である。地域振興や国際競争力の源として期待される伝統産業で、担い手である企業が、国内外の市場に魅力的な商品やサービスを供給し、収益力を増大するにはどうすればよいのだろうか。
 企業の収益力を上げる一つの手法として、ブランド力を強化する方法がある。ブランドとは「顧客がある企業や商品、サービス、お店などに対して思い浮かべる価値あるイメージ」のことである。強いブランドを作り出すには、顧客に商品やお店に対するイメージを確立させることが必要となる。
 この「イメージの確立」に大きな役割を果たすのが『経験価値』である。『経験価値』とは、商品やサービスそのものの価値ではなく、その利用経験を通じて顧客が得られる効果や感動、満足感といった価値のことである。視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚の五感を通じた経験「SENSE」、顧客の感情に訴えかける経験「FEEL」、顧客の知性や好奇心に訴えかける経験「THINK」、新たなライフスタイルの発見や行動に関する経験「ACT」、文化や人とのつながりを意識する経験「RELATE」の5つの感覚から構成される。
 本研究は、伝統産業に携わる企業のブランド構築にとってどのような経験価値が必要か、また、その経験価値を生み出すには何をするべきかを考えることが目的である。

資料

プレビュー

【教員名】辻田素子
【フリガナ】ツジタ モトコ
【ゼミ・プロジェクト名】辻田ゼミ