京都の伝統が失われてしまう。そう嘆く大林さん。着物からは「上品」や「優雅」が連想されます。人は着物を着ると普段とは違うしとやかな歩き方や仕草をします。言葉も自然と美しくなります。それが着物だと思います。しかし、最近の祇園祭では、地べたで飲食をしている着物姿の若者が目につきます。着物が普段着と変わらない扱いをされていることに胸が痛みます。
大林さんは、組紐という日本・京都の伝統を受け継ぎ、後世へと作品と技術を伝える、まさに「昔ながらの職人」といった言葉がぴったりの方でした。そんな大林さんから、組紐の歴史や京都に対する思いを聞くことができて、とても感激しました。(水上)