学部長メッセージ
経済学部長 伊達 浩憲

龍谷大学経済学部は、380年近い歴史をもつ龍谷大学にあっては若い学部です。それでも1961年の創設から50年を数えます。この経済学部の誕生は、龍谷大学が総合大学へと向かう第一歩となりました。龍谷大学が単科大学から展開するにあたって「経済学」を選んだことは、高度経済成長期を迎えた社会からの要請を十分に踏まえてのことです。そんな社会の動向を見すえる姿勢は、今も経済学部の特徴ともなっています。経済学と言えば理論の学問でもあるのですが、そこに地域との関わりをかかげて実践的な教育や研究をすすめてきたことは本学部の伝統のなせることです。

さて近年、社会人基礎力を修得することが社会から皆さんへの要求となりつつあります。でも、社会人基礎力ってなんでしょうか。「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」とされています(経済産業省)。なかなか難しそうな話です。でも実は皆さんが大学という場所・大学生という時間を十分に活用されれば、身につくものです。本学部はそれをサポートすべくいくつかのプロジェクトを立ち上げています。ひとつはウェブを活用した授業の展開です。これに皆さんの学修記録を蓄積する機能も加えてあります。将来、たとえば就職活動の時に自身を振り返るために大いに活かしてください。入学時の熱い思いなどは、いつ見返しても緊張感を呼び覚ましてくれるものです。そして次に「書く」をキーワードとした授業の展開です。社会人基礎力では、コミュニケーション能力も主要な柱となっています。コミュニケーションと聞くとすぐに話す力が思い浮かぶことでしょう。もちろんそれも大切なことなのですが、「書く」という行動には一度自分の力をためるという段階があります。伝えたいことをもう一度磨き上げる作業と言いましょうか。経済学部には「入門演習」「基礎演習」という学年を越えて連続する演習授業があります。カリキュラムに「書く」を軸としたプログラムが埋め込まれています。ここでしっかりと学ばれれば、社会で意思を表明する時にきっと力となることでしょう。

経済学は人間の活動と深く結びついています。つまり、人間の複雑さにあわせるように研究の切り口も多彩です。それは戸惑いにつながるかも知れませんが、知る喜びをもって付き合うほどに面白さがわかるものです。いつか「経済学部で何を学びましたか」という質問に出会うかも知れません。その時に「私は…を学びました」とシンプルに応えられるよう、経済学としっかり向き合っていただきたいと思います。本学部での学びを通じて、皆さんが大きく成長されますことを期待いたします。

経済学部長 伊達 浩憲

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