株式会社京都科学

会社概要

世界の医療教育分野に高付加価値製品を提供

京都科学の主力製品は医学・看護教育用のシミュレータや実習モデルで、病院や医科大学、看護大学、医療・看護系専門学校などで利用されています。人の身体を使って、注射や手術、診察などの練習をすることはできません。そのため、本物さながらの人体モデルが重宝されるのです。
同社の製品はすべて手作業で作られており、厚生労働大臣によって表彰される卓越した技能者「現代の名工」も輩出しています。蓄積してきた造形技術は、文化財の修理・復元事業にも活かされているほどです。
本物に限りなく近づけるという同社のこだわりは、(1)研究開発から製造、販売、アフターフォローまでの一貫体制、(2)病院や大学などと連携した製品開発、(3)材料(組成)、メカトロ設計や制御プログラム(機能)、造形(形状)、成型(触感)といったさまざまな分野の専門人材によって支えられています。
パート社員を含めた従業員は約240人で、売上高は35億円(2012年度実績)。付加価値の高い製品を生産販売しているため、売上高営業利益率は6%(製造業の平均は2%台)を超えています。海外市場での評価も高く、知る人ぞ知る世界企業なのです。

企業理念

人の足さながらの製品が丹念に作られていました。

京都科学の企業理念は、「われら社会とともに在り」です。「教育・文化・福祉を通して社会へ奉仕する」「自主独立・進歩向上・和親協調につとめる」「社運の隆昌とわれわれの幸福を期する」の3点が強調されています。

京都科学は、自らの存在意義を「オンリーワンのものづくり」と「ナンバーワンの品質」にあるとしています。匠の技と先端技術の融合によるオンリーワンのものづくりを通して、どこにも負けないナンバーワンの品質を確保するというのです。同社には、訓練に使えさえすればよいという発想はありません。できるかぎり実物に近づけることに強いこだわりを持って製品を製作しています。

経営姿勢として掲げるのは、「日本のものづくり」と「高付加価値経営」です。経済がグローバル化する中で、日本企業も生産機能の多くを海外に移転してきましたが、京都科学は、日本人のものづくりの感性を大切にし、日本で培ってきた仕事を世界に訴えていくとしています。同社は米国のロサンゼルスに事務所を構えていますが、ものづくりはすべて、京都市伏見区にある、2010年に完成したばかりの本社工場で行っています。そして、生産コストが高い日本でのものづくりを可能にしているのが、高付加価値経営です。

社員の行動規範は、「チームワーク&チャレンジ」と「スピードアップ」です。材料のこと、仕事のこと、流通のことなどを、お客様にきちんと説明し、聞かれても答えられないような仕事だけはしたくないとのことです。だからこそ、徹底的にこだわり、解らないことは調べ、1人で解決できないことは部署を超えたチームワークで対応します。スピードアップには、事業を取り巻く環境変化にすばやく対応していこうという意味合いが込められています。


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