
経済を動かす人の行動や企業における金融問題などの事象を掘り下げるとともに、経済モデルを活用し、複雑に入り組んだ経済現象の背景を洞察する力を養っていきます。
上田 朱莉さん
現代経済学科 3年生(京都府立園部高等学校 出身)
コーポレート・ファイナンス(企業金融)の基本概念を学び、それを土台に投資判断や資金調達、配当政策に関する理解を深めました。公認会計士や証券アナリストといった資格取得や金融機関への就職を考えている人はもちろん、現代のビジネスフィールドで働くために必要とされる知識が身につくプログラムです。
株や負債などについても学ぶので、投資や就職活動時には企業の安定性や将来性などを見極める力も養うことができます。いま、社会では企業金融や投資が注目を集め、教育にも組み込まれるようになりました。その一方で、いまだに知識不足による苦手意識が存在しているのが現実です。しかし、正しい知識を身につければ、投資や金融問題に対するハードルを下げることも可能でしょう。私自身も財務諸表の読み方や企業の資金的な面の成り立ちなどを学ぶなかで、さまざまな企業についてより詳細な分析ができるようになりました。
SEE MORE
小林 亨さん
現代経済学科 3年生(大阪府立東住吉高等学校 出身)
経済学はお金のことを学ぶと思われがちですが、実際は取引と取引を決定づける「意思決定」について、理論的に理解・説明する学問でもあります。行動経済学では、標準的な経済学では説明できない事象を、人間の心理的傾向まで取り入れて分析します。
例えば、ギャンブルの負けをギャンブルで取り返そうとする、投資で損切りができないといった行動は、「人間は損失局面でリスク愛好的になる」と考えます。「失敗すればより損失は大きくなるが、うまくいけば損失をなかったことにできる」と思い、無謀な行動を取ってしまうのです。社会は人間のさまざまな選択と意思決定で成り立っています。そうした意思決定の原理・理論についての学びは、社会が抱える課題の学びと密接に結びついています。私はこの学びを経験し、自分自身の選択、意思決定についてより深く考える機会が増えました。学問的な成長だけでなく、人間的にも成長するきっかけになったと感じています。
SEE MORE
地域産業や地域経済の現状について学ぶ、産業経済プログラム。
地域が直面している問題について分析したり、実際に現場へ足を運んだりしながら、問題を解決へと導く主体的な思考力、実践的知識と技能を養います。
水田 晴斗さん
現代経済学科 3年生(和歌山県 初芝橋本高等学校 出身)
経済が発展する一方で、地域産業の衰退や産業の空洞化といった問題が浮上している現在、企業現場のリアルな声に耳を傾ける必要があります。中小企業の置かれている現状や中小企業制度のあり方など、地域産業の構造や仕組みを学び、どのような課題に直面しているかを考えるのが、産業経済プログラムです。
実際に現場へ足を運び、地元企業の方々から直接お話を聞けるのが特徴で、座学だけでは知り得ないリアルな現状を知ることができます。地域経済の活性化を図るには、「地域を限定せず外部から企業を誘致し、新たな雇用を創出する」「産業衰退の要因を掘り下げ、可能性を探っていく」「伝統産業の継承に向けて、海外市場を視野に入れる」など、幅広い視点と柔軟な思考が大切です。私自身も視野が広がり、問題を見つけ出そうとする当事者意識も養われました。今後も地域経済が抱える問題に目を向け、学びと経験を活かした自分なりのアプローチ方法を考えていきたいです。
SEE MORE
島野 さいかさん
現代経済学科 3年生(大阪府 上宮高等学校 出身)
「ものの豊かさ」が重視された高度経済成長期を経て、多くの人が中流意識をもつようになった現代、「心の豊かさ」が求められています。「心の豊かさ」を追求するなかで重視されるのがホスピタリティです。人的交流において不可欠なだけでなく、ビジネスの世界でもその重要性が認識されはじめています。
「ホスピタリティ・ビジネス論」では、ホスピタリティの歴史や語源、定義を明らかにして観光・旅行・飲食といった多業種の現実を把握し、ホスピタリティビジネスの本質を理解していきます。この授業をとおして私は、顧客満足度や従業員満足度の向上を図り、誰もがいきいきと働ける環境を整備するには、形骸化されているコミュニケーションのあり方を見直すべきだと考えました。社会人としての心構えやコミュニケーションにおけるホスピタリティ精神が、人の尊厳と社会の正常化、地球にやさしい自然環境への関心を生み、経済を発展させていくうえで重要な役割を果たすと考えます。
SEE MORE
格差や不平等などの社会問題を私たちの生活に関わる身近な事柄としてとらえ、解決方法を模索します。
国と地方で異なる経済の役割を理解し、最終的に政府が打ち出すべき政策とは何かを考えます。
原口 和也さん
現代経済学科 4年生(大阪府 上宮高等学校 出身)
私たちの生活を支える身近な公的サービスは、地方自治体によって提供されています。しかし地域によっては財源不足などが理由で、実際の財政力には格差が生じています。そうした問題が発生する背景や現状を理解し、政府が打ち出すべき有効な政策を考えていくのが「公共経済学」の目的です。
日本の地方財政システムの成り立ちや課題、自分の住む地域の財政状況を知るなかで地方財政の抱える問題がいかに私たちの暮らしに影響を与えるかを再認識し、強い危機感をもちました。補助金のあり方や税金の使途など、今まで考えもしなかったお金の流れにも関心が深まり、より身近な問題としてとらえられるようになりました。まず国民一人ひとりが現状を把握し自分ごととして問題意識を高めていけば、政府による新たな政策や地方財政の課題解決にもつながっていくのではないでしょうか。日々の暮らしを守るには、身近な問題を軽視せず向き合い続ける必要があると考えます。
SEE MORE
波多野 宏樹さん
現代経済学科 4年生(京都府立西城陽高等学校 出身)
財政の機能不全は社会の公平性の阻害・所得の不平等にもつながります。政府には財政を円滑に機能させるべく政策を決定する役割があり、「地方財政論」ではそのプロセスを学びます。取り扱うテーマは租税や公共事業の費用・便益など幅広く、どの分野においてもグラフや数式を用います。
数学や経済学に依拠した理論のもと、財政がいかに政策へと結びつくかを現実の社会問題や事象に即して学びます。講義がすすむにつれて、自分も社会の財源を担う一員であるとの自覚が芽生え、ニュースや新聞で情報収集をする習慣が身につきました。これまで以上に選挙に関心を寄せるようになり、政策の意図や今後予想される展開まで自分の頭で考えるようになったのも大きな変化です。各個人による財政の深い理解が、社会課題解決や国民の主張が反映される社会づくりにもつながります。これからも身の回りの問題に対し疑問や意見をもつ姿勢を忘れず、不平等のない社会の実現のために自分にできることを考えていきたいです。
SEE MORE
スマートフォンの普及やIT技術の発展で、ビッグデータ時代の到来が近づく昨今。
膨大なデータを収集・分析する能力は、もはや必須といえるでしょう。
データサイエンスを基礎から学び、社会課題を解決しうる知見を身につけます。
宮本 若葉さん
現代経済学科 3年生(滋賀県立安曇川高等学校 出身)
「データサイエンス」の授業では、データサイエンスをファイナンスデータ分析に応用し、データ分析とプログラミング技術を身につけます。リアルな株のデータを題材に「Python」を用いた分析やグラフ作成を行い、データサイエンスの手法を実践的に学びます。
ビッグデータの活用が社会的なトレンドとなっている現在、諸産業へのデータサイエンスの適用、それによる経済発展と社会課題解決が急務となっています。「デジタル人材」は、この喫緊の課題を解決する役割を期待されている反面、不足しているのが現状です。人材の育成が急がれているといっても、手法や技術の修得だけでは実社会の課題解決にはつながりません。リアルなデータから傾向を読み取り、現実問題と紐づけて試行を重ねる経験が、デジタル人材には不可欠だと考えます。授業を通じて、実用的な分析力や作図能力、社会の課題を解決するデジタル人材としての素養が養われたと感じています。
SEE MORE
池田 早紀さん
現代経済学科 3年生(京都府 京都成章高等学校 出身)
経済データサイエンスプログラムでは「R」という統計解析ソフトを使い、さまざまな社会課題を検証・考察する手法を学修します。「就学年数と年収」「少子化と学力」などの因果関係に着目し、政府の施策がどのような効果を発揮しているかを、世界標準の高度な分析手法で測定します。
例えばコロナ禍の給付金の実効性も、「応用計量経済学」の授業で取り扱うようなデータ分析によって明らかになるかもしれません。社会課題の因果関係を把握するには大規模な実験が有効といわれるものの、実際は予算的・倫理的に難しいという現実があります。その点、本プログラムの「応用計量経済学」を活用すれば、観察データの活用で課題解決の糸口が得られます。この授業をとおして私は、政策における、説得力のある根拠すなわち「エビデンス」の重要性について学びました。そして私自身、考えたことを誰かに伝える際には、確かな論拠や情報を示すことを大切にしたいと考えるようになりました。
SEE MORE
土屋 洸志さん
現代経済学科 4年生(岐阜県立恵那高等学校 出身)
西本ゼミでは企業活動や社会問題を多角的に考察し、自分たちで社会貢献につながるプロジェクトを企画します。こども食堂やEコマースなどさまざまな活動が展開されるなか、私はSDGsを若年層に広めるための電子絵本の制作・出版を実践しました。一連のプロセスを経験して、主体的に考え行動する力が養われたと感じます。私の卒業論文のテーマは、「モバイル市場における携帯キャリアと顧客の関係性の変化について」です。論文執筆の際は、ゼミで身につけた企業研究の手法や論理的な思考方法のほか、本学科の授業で学んできた需要・供給やミクロ・マクロといった経済学的な観点が、大いに役立ちました。一方、株価予想ゲームやフィールドワーク、食事会などゼミ生同士の交流が盛んなところも、このゼミの魅力です。就職活動の面接でも、自信をもってゼミ活動や研究成果を伝えられました。
山鳥 有未さん
現代経済学科 4年生(京都府立須知高等学校 出身)
ゼミでは、SDGsの17の目標から一つをテーマに選び、グループごとに考察・発表します。この一連の活動を経て、私が卒業論文のテーマに選んだのは、「こども食堂と人とのつながり〜コロナ禍で増したこども食堂の必要性〜」でした。こども食堂が果たす社会的役割の周知に努めたいと思ったからです。その背景には、ゼミのこども食堂支援チームで参加した、西本願寺笑顔塾のボランティア経験がありました。論文やWebサイトの情報だけでは知り得ない、こども食堂の実情を目の当たりにし、その需要の大きさに驚いたからこそ、多くの人に正しく理解してほしいと考えました。ゼミ活動をすすめるなかで、先生は「するかしないかで迷ったときは、必ず行動する方を選びなさい」とおっしゃいます。チャレンジ精神を後押ししてくれる環境のおかげで主体性が身につき、自分の考えを行動に移せるようになりました。