机上の学びを実践につなげるには、現実の問題に対して知識を応用するのが有効です。
経済・数理の理論を体系的に理解することで、問題の本質を見抜く洞察力、課題解決力を養います。
西村 美咲さん
現代経済学科 2年生(滋賀県立守山高等学校 出身)
「 ゲーム理論 」とは、相手との駆け引きのなかで意思決定を行う状況を、数理モデルを用いて分析する理論です。経済理論プログラムではゲーム理論を使って、身近な経済・社会現象を数理的に分析する力を身につけます。
ゲーム理論の視点で身近な物事を見ると、そこに秘められた戦略性に気づくことができます。例えば、家電量販店の「 他店より 1円でも高ければお申しつけください 」という広告は、価格競争を巧妙に回避していると解釈できます。また、ゲーム理論を応用することで、腎移植問題や待機児童問題、クジラやウナギといった海産物の乱獲など、解決困難な社会課題に打開策を打ち出すこともできます。一見経済と無関係に思える問題にもアプローチできると知り、社会への関心、課題解決意識が高まったと感じています。普段の生活でも、ゲーム理論の考え方から身の回りの「 駆け引き 」の状況を探すようになり、学びを日常に落とし込めたと実感しています。
SEE MORE
橋口 堅さん
国際経済学科 3 年生(宮城県 東北高等学校 出身)
授業では、世の中のさまざまな問題を「 ゲーム理論 」を用いて理論的に分析します。共犯を犯した二人の囚人が、重い刑罰から免れようと自白と黙秘の間でせめぎ合う「 囚人のジレンマ 」は、ゲーム理論の代表的 なモデルです。
この理論を現実の社会課題に応用すれば、思わぬ解決の糸口を見出せるのではないでしょうか。例えば地球温暖化は、環境の保全よりも自国の経済発展を優先するために、温室効果ガスを大量排出する国によって引き起こされているとします。これにゲーム理論を当てはめれば、経済を発展させないことによるメリットの提示、温室効果ガスを排出しない方法で経済発展できる制度・体制の整備が有効な解決策と考えられます。これは極端な例ではあるものの、私は講義を通じて、ゲーム理論に基づいたアプローチは、現代社会の課題解決に有効な手法だと感じました。物事の発端や本質をとらえる姿勢、合理的な思考力も身につきました。
SEE MORE
地域産業や地域経済の現状について学ぶ、産業経済プログラム。
社会における経済活動の実態を知るには、現場に密着した調査や情報収拾が欠かせません。
企業や産業が内包する問題の分析、現場へのフィールドワークを行うことで課題解決に必要となる多面的な思考、実践力を育みます。
安藤 大晟さん
現代経済学科 2年生(大阪府 早稲田摂陵高等学校 出身)
京都の老舗旅館「 柊家旅館 」の魅力・課題を分析するプロジェクト型授業に取り組みました。私たちが行ったのは、柊家旅館やその周辺環境の調査と、その内容を一冊の書籍にするための原稿作成です。
調査を進めるなかで感じたのは、柊家旅館が老舗として歩んできた道のりの険しさ、伝統を未来に継承していく難しさでした。時代の経過は旅館の文化的価値を高める一方で、京都の景観や人々の生活様式を変えていきます。昔と変わらぬ姿を留めたま後世に受け継がれていくには、時代に応じて変化し、新しい価値観と共存していくことが大切なのだと学びました。そしてそれは、自分の人生を豊かにするうえでも指針となる学びではないでしょうか。私は取材前には情報の下調べや質問事項の整理を入念に行い、原稿制作にあたっては内容の正確さや読みやすさを考慮して執筆しました。自らの役割に対する責任感、ご協力くださる人への配慮など、社会でも役立つ力が大いに身についたと感じています。
SEE MORE
平野 さとさん
現代経済学科 3年生(鳥取県立倉吉東高等学校 出身)
「 地域産業活性化プロジェクト 」の授業では創業 200 年超の旅館「 柊家旅館 」とのコラボ授業を通じて、老舗旅館や地域社会が抱える課題の分析・解決をめざします。調査内容を書籍化・販売するのを最終目標に、文献調査やフィールドワーク、旅館の取引先への取材も行いました。
旅館や畳商店、花屋などへのインタビューのなかで直面したのは、伝統文化の担い手の縮小・高齢化、深刻な後継者問題でした。その一方で私たちは、実際に旅館に宿泊させていただき、旅館に置かれた調度品、旅館そのものの文化的価値の高さを身をもって感じました。自分の目で見て、手で触れる大切さを痛感するとともに、伝統を継承していくことへの当事者意識が芽生えました。伝統文化の魅力を若い視点でとらえ、同世代に発信して、認知度や文化継承の意識を高めていく。これが今の私たちにできることであり、文化の衰退や担い手不足といった、社会課題の解決につながるのではないかとの気づきを得られました。
SEE MORE
社会の課題は複雑さを増しており、その解決は一筋縄ではいきません。
公共、環境など多様な観点から経済・社会をとらえ、政策を立案・提案する力を養います。
中村 和磨さん
現代経済学科 3年生(奈良県立桜井高等学校 出身)
応用政策プログラムでは、さまざまな視点から社会問題を考え、どのような政策をもって解決できるかについて考察します。本プログラムの一つである「 環境経済学 」では、温暖化問題や産業公害、排出量取引 制度について学修しました。
不法投棄といったごみ問題は、私たちにとって最も身近な環境問題であるとともに、深刻な社会課題であると考えます。大気や水が汚染されれば、私たちの人体や暮らしにも悪影響が及ぶことは容易に想像がつきます。それにもかかわらずなかなか解決に至らないのは、人々が環境問題について考えたり学んだりする機会が乏しく、自分ごととしてとらえにくい現状があるからではないでしょうか。正直なところ、私はこれまでごみ問題を特別に意識したことはありませんでした。しかし、授業をとおして環境問題への意識が高まったことで、分別を率先して行うなど、自分の行動が明確に変化したと感じています。
SEE MORE
太田 早紀さん
現代経済学科 3年生(京都府立東宇治高等学校 出身)
ごみや公害などの身近なものから地球規模のものまで、環境問題は多岐にわたります。それらは私たちの生活、すなわち人間の経済活動によって生じたものです。「 環境経済学 」では、多種多様な環境問題を経 済学的な視点からとらえ、その解決策を模索します。
市場の動向を示すグラフを環境問題と紐づけることで、経済と環境の密接な関わりについて理解を深めつつ、現実社会で施行されている政策、そのメリット・デメリットについても知ることができます。私はこの授業を通じて、現状を知ることが社会課題解決の第一歩になるのだと実感しました。講義を受けるたびに知識が増え、環境問題に対する当事者意識も高まっていきました。「 持続可能な社会 」の実現には、企業や政府のみならず、私たち個人もできることを見つけ、行動に移さなければなりません。現実で起こっている課題を真正面から見つめ、豊かな社会をめざしていきたいと思います。
SEE MORE
ビッグデータ時代を迎えつつある今、デジタル人材の需要が急速に高まっています。
「 統計学 」「 計量経済学 」「 データサイエンス 」をはじめとする、情報科学を網羅した体系的なカリキュラムで社会課題の解決に応用できるデータサイエンスの基礎を養います。
草野 莉緒奈さん
現代経済学科 3年生(滋賀県立東大津高等学校 出身)
経済データサイエンスプログラムは、統計学の視点からビッグデータの活用方法を学ぶ「 統計学 」、統計的手法を用いて経済理論の検証や政策評価を行う「 計量経済学 」などの授業で構成されています。
データ分析の能力を向上させることで、現実で起こっている問題に対して説得力のある改善策を考案したり、分析結果と既存の情報を組み合わせて、これまでにない解決策を導き出したりなど、さまざまな社会の課題にアプローチできるようになります。プログラムの学びが活かされたと感じたのは、私がゼミで「 教員数の減少 」について研究したときです。調査のため先生方にアンケートを実施し、その結果をデータとして分 析するうえで最も適切な手法を選ぶのに、講義で得た知識が大いに役立ちました。物事を判断するのに、データ分析で得られた情報を活用するようになり、確かな情報リテラシー、客観的に考える力が身についたと、自分でも成長を感じています。
SEE MORE
杉本 拓海さん
現代経済学科 4年生(滋賀県立米原高等学校 出身)
データサイエンスの授業では、データ分析の手法を学びます。実際の百貨店の売上データや株価データをもとに時系列データを分析したり、それらをプログラミング言語「 Python 」で図示したり、手本に沿って コードを書いてプログラミング技術を身につけたりしながら、データサイエンスの基礎を固めつつ応用問題にも取り組みます。
世の中にはさまざまなデータが溢れており、それらを扱う技術を備えた人材が強く求められています。社会の要請に応え、デジタル人材として活躍していくためには、教科書にある公式や手法の修得はもちろん、それらを生きたデータに応用する実践力が必要でしょう。基礎知識をインプットし、実データへのアウトプットを繰り返し行ったことで、社会を担うデジタル人材の素地が養われたと感じています。本プログラムを通じて獲 得したデータ分析・作図のスキル、プログラミング能力は、今後ますます発展する現代社会において強力な武器となるに違いありません。
SEE MORE
山本 安紋さん
現代経済学科 3年生(鳥取県立倉吉東高等学校 出身)
伊達ゼミでは東日本大震災の被災地への調査 ・ 分析を行い、東北の地域で現地調査を実施します。岩手県陸前高田市の合宿では、当時被災した市職員の方から話をうかがったり、GIS の分析結果を現地の光景と照らし合わせたりと、現地に足を運んだからこそ得られる学びが数多くありました。衝撃だったのは、防災マップに基づいた避難行動を取ったために、悲惨な事態を招いたケースが存在すると知ったことです。災害下で取るべきとされる行動を根拠から問い直す必要があると実感し、卒業論文は「 陸前高田市における防災マップの検証とその最適化 」をテーマに選びました。伊達ゼミで培った、過去に学び、客観的な視点から最善策を考える思考力を活かし、4 年間の集大成としたいです。
吉川 和宏さん
現代経済学科 3年生(京都府 龍谷大学付属平安高等学校 出身)
伊達ゼミでは、地理情報システム GIS を用いてデータと照らし合わせ、震災が発生した当時の被災者の行動を調べます。実際に被災した方にもお話を聞き、データでは知り得ないリアルを学びます。私たちは陸前高田市の被災状況を調査するなかで防災マップに問題があったことや、それによって避難行動の錯誤があったことを突き止めました。自然災害に直面したとき、人はどのような行動を取ればよいのか。その答えを探るべく卒業論文では「 陸前高田市及び全国複数箇所の防災行動の検証とその問題点・改善点 」を取り上げます。地震大国の日本で生きるには、過去に学ばなければなりません。東日本大震災を風化させず、自分に何ができるかを考え続けることが、真の防災につながると思います。