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Faculty of Economics

経済学部

学部長メッセージ

経済学部長 小峯 敦

 龍谷大学経済学部は60年余の歴史を持ちます。西本願寺の境内に《学寮》が成ったのが1639(寛永16)年、それまで大宮学舎に文学部しかない大学が、深草の地にキャンパスを建設したのが1960(昭和35)年でした。その後、経営学部や法学部が開設されましたが、最初に深草に根を下ろしたのが経済学部でした。

 開設当初の学部に、高田保馬(たかた やすま;1883-1972)という独創的な学者がいました。彼は社会学と経済学を統合する《勢力説》という独特の理論を打ち出し、「日本のアルフレッド・マーシャル」とも称されました。このように、経済学部は龍谷大学で独特の地位を占めてきました。

 《経済》という言葉を、西洋と東洋の古典から説明しておきましょう。英語ではEconomyと綴りますが、語源はギリシャ語の「オイコノミア=オイコス(家計)+ノモス(法)」から来ています。つまり、家計を管理するように、国家(ポリス)を運営するという意味がありました。また「経世済民」という熟語も中国の古典に見えます。これは「世を治め、民を救う」という意味です。このような起源を持つ学問を、皆さんはこれから学びます。

 経済学部も教育理念を持っています。私なりに表現すれば、①論理的な分析、②多様性の理解、③課題の発見と解決 という三点を修得することが大目標です。この大目標を実現するために、2020年4月から新しいカリキュラムを実施します。

 現代経済学科と国際経済学科という二学科の中に、7つのプログラムを新しく設置しました。1年次に経済学および統計学の基礎を全員で履修し、2年次前半で学科を選択します。どちらの学科を選んでも、最初に学びたいプログラムと、次に学びたいプログラムの2つを選ぶことができます(1つだけでも良い)。もちろん、その他のプログラムも、単独の科目ならば、誰でも専門科目として履修できます。

 プログラムの中には、経済理論・応用政策・産業経済・開発経済・経済史・国際経済という具合に、理論から応用・実務まで、現代から過去・未来まで、地域・日本から世界まで、非常に多くの科目が揃っています。中でも「経済データサイエンス」プログラムは、龍谷大学のまったく新しい試みです。そこではデータ分析の基礎を修得しつつ、なぜ経済にデータ解析が必要なのか、そして実際にフィールドワークでデータを集めるにはどうするか、など、経済学部ならではのデータサイエンスを学ぶ機会を提供しました。

 「数学(英語でも歴史でも)が苦手だけど、心配だな」と思ったかもしれません。でも大丈夫です。経済学部では様々な工夫をして、皆さんの理解を助けます。3つの工夫を挙げておきましょう。

 第一に、ピア・サポーター制度です。これは教員と1年生の間を取り持ち、皆さんの学習や生活の支えとなりうる制度です。「入門演習」「基礎演習I」という20人前後のクラスに配置され、毎週1回は必ず会う先輩がいます。彼らに気軽に話しかけてください。

 第二に、独自科目を中心に、留学など体験を広げる学びを勧めています。例えば、「海外フィールド実習」(途上国へのスタディーツアー)や「海外フィールド研修」(グアムでの英語・実地の研修)という独自科目があります。BIEプログラム(アメリカ本土への研修)にも、毎年学部から多くの人材を送り出しました。さらに、経済学検定試験(ERE)やTOEICの無料受験も学部独自の試みです。

 第三に、3つの言語の形を通じて、思考を鍛える機会があります。3つとは、自然言語・人工言語・会計言語です。自然言語とは、英語を含め、ことばを通じて世界の社会・文化・歴史を学ぶことです。「留学英語」「Business Communication」などの独自科目があります。人工言語とはAI(人工知能)で活用される論理式ですが、「データサイエンス入門」「統計学入門」などで、その基礎を学べます。会計言語には「簿記論」「財務会計論」などがあります。経済学部では、これからの社会に必要な思考法を自然に学べる環境が整っています。

 とはいえ、環境が整っているだけでは、学びが自動的に出てくるわけではありません。将来に対する少しの不安を、大学内外の確実な学びによって、将来に対する小さな一歩・ヴィジョンに変換して欲しいと願っています。手に取れる《体験》(会う、旅する)と、想像力による《疑似体験》(読む、観る、考える)を、ぜひ大学時代で充実させてください。

経済学部長 小峯 敦

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